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「その通知、営業担当には不要です...」条件分岐で無駄なマーケティングコンタクト化と情報漏洩を防げ!

作成者: 芳賀 航|Jul 28, 2026 3:58:55 AM

お問い合わせフォームに潜む、情報管理とコストの課題

企業のWebサイトに設置されたお問い合わせフォームには、日々さまざまな内容が寄せられます。
見込み客からの製品に関する質問や商談依頼はもちろんですが、時には協業の提案や、さらには「公益通報」やクレームといったセンシティブな内容が含まれることもあります。

このような状況において、以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

  • 情報管理の不安
    すべてのお問い合わせ内容を、営業担当者やサポートチーム全員が閲覧できる共通のメーリングリストなどに一斉通知してしまうと、社内外のコンプライアンス上、問題が生じるリスクがある

  • コストと手間の無駄
    営業の対象とならないコンタクト(協業提案や通報など)まで有望な見込み客(MQL※1)として扱ってしまい、HubSpotの課金対象である「マーケティングコンタクト※2」の枠を無駄に消費している

※1 MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング活動を通じて獲得した、営業に引き渡すべき有望な見込み客のこと。

※2 マーケティングコンタクト:HubSpotから一斉メール送信や広告配信などのマーケティング活動を行う対象として設定されたコンタクトのこと。この登録数に応じてHubSpotの利用料金が変動します。

HubSpotのワークフローがもたらす、安全で無駄のない運用

このような課題は、HubSpotの「ワークフロー」機能(自動化のプログラム)を活用することでスムーズに解決できます。

具体的には、フォームに入力されたフリーテキストの中に特定のキーワード(例:「通報」「協業」など)が含まれているかどうかをHubSpotに自動で判断させます。

この仕組みを導入することで、以下のようなポジティブな変化が生まれます。

  1. セキュアな情報伝達
    センシティブな内容を含むお問い合わせは、一般の担当者には通知せず、あらかじめ指定した特定の管理者(コンプライアンス担当など)にのみ通知を回すことができます。

  2. コストの最適化
    営業対象外となるコンタクトに対しては、自動で「マーケティングコンタクト」から除外する処理を行うことで、不要なメール送信を防ぎ、システムの利用コスト増を抑えられます。

  3. 情報漏洩の防止強化
    社内に送られる通知メールの文面に個人情報を直接記載しない(リンクのみにする)ことで、メールの転送や誤送信による情報漏洩リスクを最小限に抑えます。

具体的な設定方法

それでは、実際にHubSpotのワークフローを使って設定していく手順を解説します。

 

ステップ1:トリガー(処理の開始条件)の設定

まずは、自動化をスタートさせるきっかけを設定します。

  1. HubSpotのメニューから「自動化」>「ワークフロー」へ進み、新規ワークフローを作成する

  2. 登録トリガーとして「フォーム送信」を選択し、対象となるお問い合わせフォームを指定して保存する

 

ステップ2:条件分岐(IF/THEN)の設定

次に、入力された内容に応じてルートを分ける設定を行います。「条件分岐」とは、特定の条件に合致するかどうかで、その後のアクションを変える機能です。

  1. トリガーの下にある「+」アイコンをクリックし、「分岐」>「AND/ORロジック」を選択する


  2. 条件の基準として「コンタクトプロパティ(またはチケットプロパティ)」を選択し、フォームの「お問い合わせ内容(フリーテキスト欄)」に該当するプロパティを選ぶ

  3. 条件として「次のいずれかを含む」を選択し、『通報』『協業』『コンプライアンス』など、検知したいキーワードを入力して保存する

ステップ3:マーケティングコンタクトからの除外

特定のキーワードが含まれていた(条件に合致した)ルート(例:「はい」の分岐)に対し、課金対象となるコンタクト数への追加を防ぐ設定をします。

  1. 分岐したルートの「+」アイコンをクリックする

  2. 「マーケティングコンタクトのステータスを設定」を選択する

  3. マーケティングコンタクトのステータスを「マーケティング対象外のコンタクトに設定」に設定して保存する

ステップ4:セキュアな「内部メール」の作成と送信先の指定

最後に、情報を安全に伝えるための社内通知メールを設定します。

  1. ステップ3に続けて「+」アイコンをクリックし、「内部Eメール通知を送信」アクションを選択する

  2. 送信先として、特定のユーザー(コンプライアンス担当者など)やチームを指定する

  3. メールの件名や本文を作成する

【セキュアなメール文面のポイント】

通常、通知メールにはデータトークン(HubSpotが自動で名前や会社名を挿入する機能)を使ってお客様の情報を記載しますが、今回はセキュリティを考慮し、あえて個人情報を埋め込みません。

  • 件名: 「【重要】特定キーワードを含むお問い合わせがありました」
  • 本文: お客様の個人情報やお問い合わせ内容の詳細は記載せず、「HubSpotの該当レコード(チケットやコンタクト)へのリンク」または「お問い合わせ番号」のみを記載します。

これにより、担当者は必ずHubSpotにログインして詳細を確認することになり、メールシステム上での情報漏洩を防ぐことができます。

以上の設定を終え、ワークフローを「オン」にすれば、安全でスマートな自動振り分けシステムの完成です。

 いかがでしたでしょうか。マーケティング活動を加速させるHubSpotですが、今回のように「守り」の視点でワークフローを活用することも非常に重要です。MQLの無駄な消費を防ぎ、機密情報を安全にルーティングする仕組みは、企業の健全な運用を足元から支えてくれます。 

 特定のキーワードを自動検知し、適切な担当者へ「安全に」繋ぐこの仕組みは、社内のコンプライアンス強化だけでなく、現場の不要な混乱(ノイズ)を防ぐことにも直結します。まずは現在のお問い合わせフォームの通知設定を見直し、小さな自動化から取り入れてみてはいかがでしょうか。