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権限・集計・通知を最適化するチーム設計:「親子階層」と「メンバー種別」の使い分け

作成者: 原田 将寛|Jun 30, 2026 2:53:03 AM

HubSpot チーム管理マニュアル:メインチームと追加チームの完全活用ガイド

HubSpotで組織を管理する際、最も重要なのが「どのユーザーをどのチームの『メイン』にするか」という設計です。

この設定一つで、レコードの閲覧権限だけでなく、レポートの集計精度や自動化ワークフローの挙動が大きく変わります。

本記事では、メインチームと追加チームの違い、そして親子階層による制御の仕組みを詳しく解説します。


組織運営で直面する「チーム管理」の課題

組織が拡大し、兼務者や階層構造(本部・部・課)が発生すると、以下のような問題が起こりやすくなります。

  • レポートの重複や漏れ
    兼務者がどちらのチームとして成果をカウントされているか不明確で、数字の整合性が取れない

  • 情報の過不足
    マネージャーが部下のデータを見られない、あるいは現場のメンバーに関係のない通知が大量に届く

  • 表示のノイズ
    チームごとに最適化されたはずのレコード画面(ビュー)が、兼務している別チームの形式で表示されて使いにくい

これらの問題は、HubSpotのチーム仕様を正しく理解し、設定に反映させることで解消できます。

【詳細解説】メインチームと追加チームの決定的な違い

HubSpotでは、1人のユーザーに対して1つの「メインチーム(プライマリーチーム)」と、複数の「追加チーム」を設定可能です。
両者には、システム上の役割に明確な差があります。

① レコード詳細画面の表示とビューの適用

  • メインチーム
    ユーザーのメインチームに基づいて、そのユーザーに表示される「チーム用カスタムレコードビュー」が決定します。

  • 追加チーム
    追加チームとして所属しているだけでは、そのチーム用のカスタムビューは適用されません。また、詳細画面のレコード表示においても、追加メンバーは表示対象外となります。

② 「HubSpotチーム」プロパティの自動入力

  • レコード(コンタクトや取引など)が作成された際、その担当者(所有者)のメインチームが「HubSpotチーム」プロパティに自動的に割り当てられます。

  • この自動入力機能により、「どのレコードがどのチームに属しているか」が定義されます。追加チームの情報は、ここには反映されません。

③ レポート・ダッシュボードの集計ロジック

  • HubSpotのレポートでチーム別集計を行う際、基本のキーとなるのは「レコードのチーム(hubspot_team_id)」です。これは担当者のメインチームと連動しています。

  • メインチーム
    そのユーザーの成果(取引件数・売上など)は、メインチームの数字として正確にカウントされます。

  • 追加チーム
    チームレポートの集計対象からは原則として「除外」されます。これにより、兼務者がいても数字のダブルカウントを防ぐことができます。

④ チーム通知と@メンションの宛先

  • ワークフローによる「ユーザーおよびチームに通知」や、コメント欄での「チーム宛の@メンション」において、通知を受け取るのはメインチームのメンバーのみです。

  • 追加チームのメンバーには、チーム宛の通知は届きません(フォーム通知などの例外を除く)。情報のノイズを減らし、必要な人にだけ通知を届ける仕組みです。

⑤ ワークフローの所有者ローテーション

  • ワークフローのアクションで「レコードをチームにローテーション(割り当て)」を行う際、候補に入るのはそのチームのメインチームメンバーだけです。

  • 追加チームのメンバーは、この自動割り当ての候補から外れます。

3. 親チーム・子チームの階層構造による制御

チームを階層化(親子設定)することで、データの閲覧範囲と分析の粒度をコントロールできます。

階層化によるアクセス権限の原則

  • 親は子を見られる、子は親を見られない: 親チームのメンバーは、その配下にネスト(階層化)された子チームが担当するレコードも「チーム権限」で閲覧できます。しかし、子チームのメンバーから親チームのレコードを見ることはできません。

親チームと子チーム、どちらを「メイン」にするかの判断基準

設定パターン レポート・分析への影響 運用のメリット
親チームをメインにする そのユーザーの成果は「親チーム」全体としてカウントされます。 子チームごとの細かいパフォーマンス比較を必要としない、統括的な管理に適しています。
子チームをメインにする 成果が「子チーム」単位で集計可能になります。親チームのレポートでは「親+配下の子チームの合計」として確認できます。 チームごとの差を切り分けやすく、親チーム側で全体の合算値も把握できるため、最も推奨される設定です。




4. チーム種別ごとの挙動比較表

以下の表は、ユーザーがどのような立場でチームに所属しているかによる挙動の違いをまとめたものです。

項目 親チームの
メインメンバー
子チームの
メインメンバー
親チームの
追加メンバー
子チームの
追加メンバー
詳細画面
レコード表示
表示される 表示される 表示されない 表示されない
レコード
アクセス権限
可能(自チーム+子チーム分) 可能(自ユニット分のみ) 可能(自チーム+子チーム分) 可能(自ユニット分のみ)
チームレポート集計 対象 対象(親にも反映) 除外 除外
チーム通知
(メンション等)
受信する 受信する 受信しない 受信しない
ワークフロー
ローテーション
対象 対象 除外 除外




5. 具体的な5つの設定手順

ステップ1:チームの作成と階層化

  1. HubSpot画面右上の 「設定(歯車アイコン)」 をクリックする

  2. 左側メニューの「ユーザー管理」内にある 「ユーザーとチーム」 をクリックする

  3. 中央のタブから 「チーム」 を選択し、「チームを作成」 をクリックする


  4. チーム名を入力し、必要に応じて 「このチームを別のチームの下に配置」 にチェックを入れ、親チームを選択する

ステップ2:メンバーの役割指定

  1. 所属させるユーザーを選択する

  2. 各ユーザーに対し、このチームを 「メイン」 にするか、「追加チーム」 にするかを選択する
    ※判断のコツ: そのユーザーの「主戦場」であり、売上を集計すべきチームをメインに設定してください

  3. 「保存」をクリックして設定を完了します。



まとめ:正しいチーム設計が運用の質を決める

HubSpotのチーム機能は、単なるグループ分けではなく、「権限・集計・自動化」を制御するエンジンの役割を果たします。

  • メインメンバーは、そのチームの「当事者」として数字を持ち、通知を受け、自動割り当ての対象になります。

  • 追加メンバーは、権限(閲覧)のみを付与された「サポーター」としての立ち位置になります。

この違いを念頭に置いてチーム構成を最適化することで、情報の機密性を保ちながら、各メンバーが自分の業務に集中できる、ノイズのない環境を構築しましょう。