人材紹介や採用支援ツールを提供する企業にとって、ターゲット企業へアプローチする「タイミング」は非常に重要です。
HubSpotのAI機能(スマートプロパティ)を活用して、採用ニーズが顕在化した瞬間をキャッチし、営業チームへ自動通知する仕組みの作り方を解説します。
MA(マーケティングオートメーション)を導入し、リードのスコアリングに取り組む企業は多いでしょう。「役職が部長以上なら+10点」「料金ページを見たら+5点」といった属性や行動ベースのスコア付与は有効です。
しかし、人材業界においては、このスコアリングだけでアプローチの優先順位を決めることには限界があります。なぜなら、「企業がいつ欠員補充や増員のための採用を開始するか」という最も重要なタイミング(シグナル)を、自社サイト内の行動履歴だけでは捉えきれないからです。
タイミングがずれた状態でのコールドコールは、営業担当者の疲弊を招くだけでなく、顧客から敬遠される要因にもなります。「企業が求人媒体で募集を開始した」という事実をいち早く、かつ自動で知ることができれば、インサイドセールスは最も確度の高い状態でアプローチが可能になります。
この課題は、HubSpotの「スマートプロパティ」と「ワークフロー」を組み合わせることで解決できます。
実現する流れは以下の通りです。
HubSpotのAIが、会社レコードのドメイン情報を基にWeb上を自動調査する
DODAやWantedlyなど、主要な求人サイトに「直近1か月以内」に求人を出稿している形跡がないかを探す
求人掲載が見つかった場合、AIが「掲載あり」「媒体名」「募集職種」「URL」を抽出してプロパティに自動入力する
プロパティの更新をトリガーにして「新規求人出稿フラグ」を立て、連携したSlackの営業チャンネルに即時通知を飛ばす
営業担当者はSlackに届いた求人URLを確認し、「今、要件に合う即戦力人材がおりまして……」と、ピンポイントな提案ができるようになります。
この仕組みを構築するための手順を3つのステップで解説します。
まずは、AIにWeb調査をさせるための会社プロパティを作成します。
オブジェクト:会社
プロパティ名:新規求人掲載調査(など任意の名前)
フィールドタイプ:複数行テキスト
データソース:ウェブ調査(Web research)
AIが古い求人実績を拾ってこないよう、「直近1か月」と期間を限定するのが運用のコツです。
【プロンプト(指示文)の設定例】
ワークフローの制御やリスト抽出に使うための、シンプルなフラグ(目印)となるプロパティを作ります。
オブジェクト:会社
プロパティ名:新規求人出稿フラグ
フィールドタイプ:1つのチェックボックス(はい / いいえ)
最後に、会社ベースのワークフローを作成し、AIの検知結果をSlackへ連携させます。
【トリガー】
「外部求人出稿検知(Step1のプロパティ)」が 【掲載状況】 掲載あり を含む
かつ
「外部求人出稿検知」が 更新された
【アクション 1:プロパティ値の設定】
「新規求人出稿フラグ」を 「はい」 にする。
【アクション 2:Slack通知の送信】
通知先チャンネルを指定し、メッセージを構成します。
(例) 「🚨以下の企業が外部媒体で採用を開始した可能性があります! 企業名:[会社名] 詳細:[外部求人出稿検知の出力内容]」
【アクション 3:遅延とフラグリセット(推奨)】
遅延: 20日
プロパティ値のクリア: 「新規求人出稿フラグ」を 「いいえ(空)」 に戻す。
※これにより、同じ企業が数ヶ月後に新たな求人を出した際にも、再度フラグが立って通知されるようになります。
この設定により、自社が保有するリスト内の企業の採用活動を効率的にモニタリングできるようになります。