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【徹底比較】製品・プラン管理。ビジネスに合わせた最適な設計と設定手順

作成者: 原田 将寛|May 8, 2026 11:46:57 AM

HubSpotでの商談管理を進める中で、多くの担当者が突き当たる壁があります。
それは、「標準の『製品』機能では、自社の複雑なプランや契約形態を表現しきれない」という課題です。

一言でいえば、「HubSpotの決まった枠に業務を合わせるか(標準)」か、「業務に合わせてHubSpotの枠を作り替えるか(カスタム)」という選択の分岐点です。

本記事では、この二つの手法を徹底比較し、貴社のビジネスモデルに最適な選択肢を提示します。

1. 現場が直面する具体的な課題

HubSpotを導入してしばらく経つと、以下のような悩みが生まれることがあります。

  • 「プランごとに独自の技術仕様や契約条件を管理したいが、標準の製品項目(ラインアイテム)では入力欄が足りない」
  • 「将来的にプランの構成が変わる可能性が高く、標準機能のガチガチな制約が不安」
  • 「見積書(Quotes)機能は使いたいが、データ分析のためにさらに細かい情報を紐付けたい」

これらの悩みを解決するためには、カスタムオブジェクトによる管理が有効です。

2. 徹底比較:標準製品 vs カスタムオブジェクト

比較項目 ① 標準製品オブジェクト ② カスタムオブジェクト
基本構造 取引 ↔ ラインアイテム ↔ 製品 取引 ↔ 商談明細 ↔ プラン
データの柔軟性 △ 低い
UI変更や複雑な関連付けに制限あり。
◎ 非常に高い
独自プロパティを自由に持てる。
金額の計算 ◎ 自動
「数量×単価」が最初から動く。
△ 要設定
計算プロパティ等の構築が必要。
過去データの保存 ◎ 標準装備
マスタ変更後も過去分は維持。

◯ 工夫で対応可
ワークフローによる「コピー」または
プランレコードの再作成で対応。

標準機能との連携 ◎ 強い
見積書や標準レポートにそのまま反映。
△ 弱い
見積書反映には同期処理が必要。

 

3. 設定手順:① 標準製品オブジェクトの場合

「最短・最速」でHubSpotの機能をフル活用するための手順です。

ステップ1:製品マスタの登録

  1. 「ライブラリ」から「製品」を選択し、自社のサービスや商品を登録します。
  2. この際、標準の「単価」「頻度(月次・年次など)」を設定します。

ステップ2:必要に応じたカスタムプロパティーの追加

  1. 標準項目だけでは足りない場合、「製品」のプロパティーとして、独自の入力項目(例:導入支援メモなど)を追加します。

※製品プロパティーでは計算、ロールアップ、プロパティー同期が使用できないことに注意

ステップ3:取引への紐付け

  1. 各「取引」画面の右サイドバーにある「商品項目」から、登録した製品を選択します。
  2. これで自動的に「ラインアイテム(取引ごとの明細)」が生成され、合計金額が「取引の額」に反映されます。



4. 設定手順:② カスタムオブジェクトの場合

「分析・拡張性」を重視し、独自のビジネスモデルを構築する手順です。

ステップ1:カスタムオブジェクトの作成(Enterpriseプラン)

  1. 設定から「カスタムオブジェクト」を作成します(例:「プラン明細」と「プランマスタ」)。
  2. プラン明細オブジェクトを「プランマスタ」と「取引」の両方に関連付けられるようにします。

ステップ2:プロパティの設定

  1. プランオブジェクトに必要な項目を作成します。
    • プラン金額など
  2. プラン明細オブジェクトに必要な項目を作成します。
    • プラン金額(プロパティー同期もしくはプランオブジェクトからワークフローでコピー)
    • 個数(数値)
    • 合計金額(プラン金額×個数)

ステップ3:金額の固定化ワークフローの構築

中間オブジェクトは標準の「製品」と違い、マスタの値が変わると過去のデータも引きずられる可能性があります。これを防ぐ設定が重要です。

※プラン金額をプロパティー同期で実装している場合は金額が変わるたびにプランマスタレコードを作成し直す必要があります。

  1. ワークフローを作成:トリガーを「プラン明細オブジェクトの作成時」にします。
  2. アクション:プランマスタにある「現在の価格」を、プラン明細オブジェクトの「プラン金額(カスタム項目)」へコピーします。
  3. これにより、将来マスタの価格改定があっても、過去のレコードには影響が出ません。

ステップ4:合計金額の集計

  1. 「取引」オブジェクト側に「ロールアップ」プロパティーを作成し、「プラン明細」の「合計金額」を合計します。

5. どちらを選ぶべきかの最終判断

  • 「標準製品オブジェクト」を選ぶべき人
    • HubSpotの見積書発行機能(Quotes)をそのまま使いたい。
    • 標準の売上分析レポートを即座に活用したい。
    • 設定のメンテナンスコストを最小限に抑えたい。
  • 「カスタムオブジェクト」を選ぶべき人
    • プランの構成や属性が複雑で、将来的にさらなる変更が予見される。
    • 「顧客」や「設置場所」など、他のオブジェクトと商品情報を密接に紐付けたい。
    • データベースとして、より正確で詳細な構造を保持したい。

もし、構築の手間と天秤にかけても「将来的なデータの分析精度」や「複雑な関連付け」が優先されるのであれば、Enterpriseプランの強みを活かしたカスタムオブジェクト案が、長期的な資産となります。

一方で、シンプルなSaaSモデルであれば、標準機能を使い倒す方が現場の定着は早いでしょう。