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GA4とHubSpotで数字が合わない5つの理由|マーケ担当者のための正しい向き合い方

作成者: 芳賀 航|Sep 7, 2026, 9:58:42 PM

「数字が合わない」の9割は、異常ではなく仕様

最近MAツールとしてHubSpot導入し始めたマーケティング担当者なら、一度はこう思ったことがあるはずです。

  • 「GA4のセッション数とHubSpotの訪問数が全然違う」
  • 「コンバージョン、GA4は120件なのにHubSpotは98件。どっちが正しいの?」

先に結論から言うと、この2つは“完全一致しないのが正常”です。

合わないこと自体を問題視して原因探しに膨大な時間を使うより、「なぜズレるか」を理解し、それぞれの数字を“役割”で使い分けるほうが、はるかにマーケの成果につながります。

この記事では、ズレる代表的な5つの理由と、実務での向き合い方を整理します。

そもそもGA4とHubSpotは「測っている対象」が違う

理由の話に入る前に、この大前提だけ押さえてください。

  • GA4は「行動を数える」ツール主役はセッションやイベントで、匿名の行動ログを積み上げ、どのページがどれだけ見られたか、どこで離脱したかを見るのに向いています。
  • HubSpotは「人を追いかけて売上への貢献を見る」ツール主役はコンタクト(人)で、個人(メールアドレス)に紐づく履歴として、誰が・どの流入から来て・最終的に商談や売上にどうつながったかを追います。

ものさしが違うので、同じ「訪問」「コンバージョン」という言葉でも中身が違います。ここが全てのズレの出発点です。

【比較表】GA4とHubSpotの「測る対象」の違い

比較項目  GA4(Google Analytics 4)  HubSpot
主役  セッション、イベント(行動ログ)  コンタクト(実在する人)
得意な領域  サイト内の行動分析、ページ評価  顧客の追跡、売上・商談への貢献度計測
CVの数え方  発生回数ベース(同じ人が2回送信=2件)  人数ベース(コンタクト単位で重複排除)
流入元の記録  セッション単位(訪問ごとに更新)

 コンタクト単位(初回接触を保持)

GA4とHubSpotの数字がズレる5つの理由

理由① セッション・ユーザーの「定義」が違う

もっとも根本的な原因です。

GA4のセッションは、30分操作がないと途切れます。日付をまたいだり、参照元が変わったりすると新しいセッションになります。対してHubSpotのセッション(訪問)は独自のロジックでカウントし、コンタクトに紐づけます。判定基準がGA4と一致しません。

さらにGA4は「ユーザー」を推計値(モデリング)で出す場面があり、HubSpotは実在するコンタクト単位で数えます。定義が違うものを並べれば、そもそも一致しません。

理由② コンバージョンの「数え方」が違う

「CV数が合わない」の相談は、ほぼこれが原因です。

GA4はキーイベント(旧コンバージョン)として、フォーム送信やクリックなど“発生した回数”を数えます。同じ人が2回送れば2件です。

一方HubSpotはフォーム送信をコンタクト単位で管理します。重複送信やコンタクトの重複排除(マージ)が効くため、“人数”に近い数字になりやすいのです。

つまり、1人が問い合わせフォームを2回送信すると、GA4は2、HubSpotは1になりがちです。また、テスト送信や社内送信の除外設定がツールごとに違えば、当然ズレます。

「イベント数」対「人数」を比べている——これを知るだけで多くの疑問は解消します。

HubSpotでは人数のカウントの他にフォームの送信数もカウントできますが、その場合のGA4とのずれは後述する理由③が原因の可能性が高いです。

理由③ Cookie同意・トラッキング拒否の影響が両者で違う

改正個人情報保護法やGDPRを受けて、多くのサイトがCookie同意バナーを設置しています。ここで差が生まれます。

同意管理ツールの設定によって、GA4は止まるがHubSpotは動く(またはその逆)というケースがあります。またSafariのITPやブラウザの広告ブロック、トラッキング防止機能の影響の受け方もツールごとに異なります。さらに、同意前計測の可否設定がGA4とHubSpotで別々に管理されています。

結果として「同意した人しか測れていないGA4」と「別条件で測っているHubSpot」の母数がズレます。

なお、ここは“数字のズレ”以前にコンプライアンスの論点でもあります。同意前に追跡していないか、両ツールの設定を一度棚卸しするのがおすすめです。

理由④ 二重計測・タグの重複

意外と多いのが、実装起因のズレです。

  • GTM経由とテーマ埋め込みで同じトラッキングコードが2回発火している

  • HubSpotトラッキングコードとGA4タグの発火条件(トリガー)がページによって食い違っている

  • SPA(シングルページアプリ)でページ遷移をGA4は拾うがHubSpotは拾わない

「片方だけ数字が不自然に多い、または少ない」ときは、まずタグの発火状況を疑ってください。

理由⑤ 流入元(アトリビューション)の考え方が違う

「オーガニック流入の数が違う」系はこれです。

GA4はセッション単位で流入元を持ちます。同じ人でも来るたびに参照元が変わります。対してHubSpotはコンタクトに「オリジナルソース(初回接触)」を記録し、基本的に上書きしません。

だから「最初は広告、次に検索、最後に直接」で来た人を、GA4はその時々の流入として分散して数え、HubSpotは初回の広告にまとめて功績を寄せます。どちらが正しいではなく、見ている時間軸が違うのです。UTMの命名がバラついていると、このズレはさらに拡大します。

結論:合わせにいかず、「役割分担」で使う

ここまでの5つを踏まえた、実務での向き合い方です。

  1. 目的でツールを使い分ける
    サイト内の行動改善(どのページを直すか)はGA4、流入から商談・売上への貢献(どのチャネルが受注に効いたか)はHubSpot、というように「この問いにはこっち」を決めておきます。同じ指標を2ツールで突き合わせないのがコツです。
  2. 「一致」ではなく「傾向」で見る
    絶対値を合わせる努力より、両方で同じ方向に動いているか(増減トレンド)を見るほうが健全です。
  3. UTMを統一しておく
    流入元のズレを最小化する最大の打ち手は、UTMパラメータの命名ルールを社内で統一することです。ここだけは投資対効果が高いので必ず整えましょう。
  4. 除外設定をそろえる
    社内IPやテスト送信の除外を、GA4とHubSpotで同じ条件にしておくと、CV数の差がかなり縮まります。

まとめ

GA4とHubSpotの数字が合わないのは、設定ミスではなく“測っている対象が違う”仕様です。ズレる主因は以下の5つです。

  1. セッション定義の違い
  2. CVの数え方(回数か人数か)
  3. 同意・トラッキング設定の差
  4. 二重計測やタグ設定の重複
  5. アトリビューション(流入元)の考え方の違い

無理に一致させず、役割で使い分けるのが正解です。まず着手すべきは「UTM統一」「除外設定の統一」です。

「数字が合わない」と悩む時間を、「どっちの数字を、何の判断に使うか」を決める時間に変える——それがGA4×HubSpotを活かすいちばんの近道です。

ナウビレッジはデジタルマーケティングのコンサルティング会社として、GA4とHubSpotを連携させた計測設計・Web広告運用代行を行っています。「自社の数字の見方が合っているか不安」「Web広告を運用しているが成果が出ない」という方は、お気軽にご相談ください。