最近MAツールとしてHubSpot導入し始めたマーケティング担当者なら、一度はこう思ったことがあるはずです。
先に結論から言うと、この2つは“完全一致しないのが正常”です。
合わないこと自体を問題視して原因探しに膨大な時間を使うより、「なぜズレるか」を理解し、それぞれの数字を“役割”で使い分けるほうが、はるかにマーケの成果につながります。
この記事では、ズレる代表的な5つの理由と、実務での向き合い方を整理します。
理由の話に入る前に、この大前提だけ押さえてください。
ものさしが違うので、同じ「訪問」「コンバージョン」という言葉でも中身が違います。ここが全てのズレの出発点です。
| 比較項目 | GA4(Google Analytics 4) | HubSpot |
| 主役 | セッション、イベント(行動ログ) | コンタクト(実在する人) |
| 得意な領域 | サイト内の行動分析、ページ評価 | 顧客の追跡、売上・商談への貢献度計測 |
| CVの数え方 | 発生回数ベース(同じ人が2回送信=2件) | 人数ベース(コンタクト単位で重複排除) |
| 流入元の記録 | セッション単位(訪問ごとに更新) |
コンタクト単位(初回接触を保持) |
もっとも根本的な原因です。
GA4のセッションは、30分操作がないと途切れます。日付をまたいだり、参照元が変わったりすると新しいセッションになります。対してHubSpotのセッション(訪問)は独自のロジックでカウントし、コンタクトに紐づけます。判定基準がGA4と一致しません。
さらにGA4は「ユーザー」を推計値(モデリング)で出す場面があり、HubSpotは実在するコンタクト単位で数えます。定義が違うものを並べれば、そもそも一致しません。
「CV数が合わない」の相談は、ほぼこれが原因です。
GA4はキーイベント(旧コンバージョン)として、フォーム送信やクリックなど“発生した回数”を数えます。同じ人が2回送れば2件です。
一方HubSpotはフォーム送信をコンタクト単位で管理します。重複送信やコンタクトの重複排除(マージ)が効くため、“人数”に近い数字になりやすいのです。
つまり、1人が問い合わせフォームを2回送信すると、GA4は2、HubSpotは1になりがちです。また、テスト送信や社内送信の除外設定がツールごとに違えば、当然ズレます。
「イベント数」対「人数」を比べている——これを知るだけで多くの疑問は解消します。
HubSpotでは人数のカウントの他にフォームの送信数もカウントできますが、その場合のGA4とのずれは後述する理由③が原因の可能性が高いです。
改正個人情報保護法やGDPRを受けて、多くのサイトがCookie同意バナーを設置しています。ここで差が生まれます。
同意管理ツールの設定によって、GA4は止まるがHubSpotは動く(またはその逆)というケースがあります。またSafariのITPやブラウザの広告ブロック、トラッキング防止機能の影響の受け方もツールごとに異なります。さらに、同意前計測の可否設定がGA4とHubSpotで別々に管理されています。
結果として「同意した人しか測れていないGA4」と「別条件で測っているHubSpot」の母数がズレます。
なお、ここは“数字のズレ”以前にコンプライアンスの論点でもあります。同意前に追跡していないか、両ツールの設定を一度棚卸しするのがおすすめです。
意外と多いのが、実装起因のズレです。
GTM経由とテーマ埋め込みで同じトラッキングコードが2回発火している
HubSpotトラッキングコードとGA4タグの発火条件(トリガー)がページによって食い違っている
SPA(シングルページアプリ)でページ遷移をGA4は拾うがHubSpotは拾わない
「片方だけ数字が不自然に多い、または少ない」ときは、まずタグの発火状況を疑ってください。
「オーガニック流入の数が違う」系はこれです。
GA4はセッション単位で流入元を持ちます。同じ人でも来るたびに参照元が変わります。対してHubSpotはコンタクトに「オリジナルソース(初回接触)」を記録し、基本的に上書きしません。
だから「最初は広告、次に検索、最後に直接」で来た人を、GA4はその時々の流入として分散して数え、HubSpotは初回の広告にまとめて功績を寄せます。どちらが正しいではなく、見ている時間軸が違うのです。UTMの命名がバラついていると、このズレはさらに拡大します。
ここまでの5つを踏まえた、実務での向き合い方です。
GA4とHubSpotの数字が合わないのは、設定ミスではなく“測っている対象が違う”仕様です。ズレる主因は以下の5つです。
無理に一致させず、役割で使い分けるのが正解です。まず着手すべきは「UTM統一」と「除外設定の統一」です。
「数字が合わない」と悩む時間を、「どっちの数字を、何の判断に使うか」を決める時間に変える——それがGA4×HubSpotを活かすいちばんの近道です。
ナウビレッジはデジタルマーケティングのコンサルティング会社として、GA4とHubSpotを連携させた計測設計・Web広告運用代行を行っています。「自社の数字の見方が合っているか不安」「Web広告を運用しているが成果が出ない」という方は、お気軽にご相談ください。