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【レポート作成術】一つのX軸に対して、複数の「(カウント)取引」をY軸として設定する方法

作成者: きっしー|Apr 12, 2026 1:20:21 PM

HubSpotでレポートを作成する際、「月ごとの『取引数』と『成約数』の棒グラフを横並びにして、取引数に対する成約数を視覚的に可視化したい」というように、取引数をカウントするY軸を二つ設定したいニーズに直面することはよくあります。

しかし、実際にカスタムレポートビルダーを触ってみると、ひとつの壁にぶつかります。

それは、「取引数をカウントするY軸は、デフォルトでは一つのX軸について一つしか設定できない(『(カウント)取引』フィールドが一つしか使えない)」という仕様です。

この記事では、この制約を回避し、一つのグラフ内に複数の条件に基づく件数を横並びで表示するための設定方法を解説します。

デフォルト機能の壁を越える実現イメージ

デフォルトのカウント機能が一つしか使えないのであれば、発想を少し変える必要があります。解決策は以下の通りです。

【解決策】

条件を満たした際に「1」が入るカスタムプロパティを作成し、レポート側でその数値を「合計(Sum)」する。

このアプローチをとることで、「取引数」と「成約数」の2つの棒グラフを月ごとに横並びで配置し、それぞれのボリューム感を直感的に比較できるようになります。

 

なぜ「1」を入れて合計するのか?(仕組みの解説)

設定に入る前に、裏側の仕組みを理解しておくとスムーズです。

なぜ、プロパティに「1」という数字を入れるだけで、レポート上で件数として機能するのでしょうか。

それは、レポート機能がバラバラに存在する「1」を自動で集めて足し算してくれるからです。

以下の表をイメージしてください。

▼ 取引データ(裏側の状態)

それぞれの取引には、条件を満たすと「1」という数字のスタンプが押されます。

取引名 作成月(X軸) 取引数 成約数
取引A 4月 1 1
取引B 4月 1 (空欄)
取引C 5月 1 1

 

▼ レポートでの集計結果(表側の状態)

レポートのY軸の設定を「合計(Sum)」にすると、設定したX軸(月)ごとに自動でグループ分けされ、数字が足し算されます。

  • 4月のグループ

    • 取引数: 取引Aの「1」 + 取引Bの「1」 = 2件

    • 成約数: 取引Aの「1」 + 取引Bの「空欄(0)」 = 1件

  • 5月のグループ

    • 取引数: 取引Cの「1」 = 1件

    • 成約数: 取引Cの「1」 = 1件

このように、「1」という数字は「1件」を意味するブロックとして機能します。レポートは、そのブロックが各月の箱の中にいくつ入っているかを足し算し、棒グラフの高さを形作ります。

 

具体的な設定手順(3ステップ)

仕組みがわかったところで、実際の設定を進めます。

ステップ1:カウント用のカスタムプロパティ(数値)を作成する

まず、条件の数だけ「1」を格納するための受け皿となるプロパティを作成します。

  1. HubSpot画面右上の 歯車アイコン(設定) をクリックします。

  2. 左側のサイドバーから [プロパティ] を選択します。

  3. 「オブジェクトの選択」ドロップダウンで [取引プロパティ] を選択し、[プロパティを作成] をクリックします。

  4. 設定項目を以下のように指定して [作成] をクリックします。

    • オブジェクトタイプ:取引

    • グループ:取引情報(任意)

    • ラベル:【レポート用】成約数

    • フィールドタイプ:数値(Number)

    • フォーマット:フォーマットなしの数値

  5. 同様の手順で、もう一つの条件である 「【レポート用】取引数」用の数値プロパティも作成します。

 

ステップ2:ワークフローで条件を満たした取引に「1」を自動入力する

作成したプロパティに、自動的に「1」を入力する仕組みを作ります。

※この手順には、Marketing Hub Professional、またはSales Hub Professional以上のライセンスが必要です。

  1. 上部メニューから [自動化] > [ワークフロー] に移動し、[ゼロから作成] を選びます。

  2. オブジェクトを [取引] に設定し、空白のワークフローを作成します。

  3. [登録トリガーを設定] をクリックし、カウントしたい条件を指定して保存します(「成約数」の場合は「取引ステージがクローズ済み(成立)」など。「取引の全体数」の場合は「作成日に値がある」とします)。




  4. [+] アイコンをクリックしてアクションを追加し、[レコードを編集] を選択します。

  5. 対象のプロパティにステップ1で作成したフラグ用プロパティを選び、新しいプロパティ値として 1 を入力して保存します。

  6. 右上の [確認および公開] からワークフローをオン(有効化)にします(※過去のデータもレポートに反映させたい場合は、有効化する際に既存の取引も登録するオプションを選択してください)。

ステップ3:カスタムレポートビルダーでグラフを作成する

いよいよ、作成したデータを使ってレポートを組み立てます。

  1. 上部メニューから [レポート] > [レポート] に移動し、[カスタムレポートビルダー] で新しいレポートを作成します。

  2. データソースで [取引] を選択し、[次へ] をクリックします。

  3. 左側のフィールドリストから、グラフに使いたい要素をドラッグ&ドロップで配置します。X軸には [作成日] などを配置して頻度を「月次」にし、Y軸には作成した 【レポート用】取引数【レポート用】成約数 の両方をドロップします。

  4. 【最重要】 Y軸に配置したフラグプロパティをクリックし、「測定」または「集計」の項目をデフォルトの「カウント」等から必ず [合計(Sum)] に変更します。

  5. チャートの種類を [縦棒グラフ] に設定します。

これで、月ごとに「取引数」と「成約数」の棒グラフが横に並び、全体に対してどれくらい成約しているのかが一目でわかるレポートの完成です。