HubSpotでのレポート作成において、一歩進んだ分析を可能にする「データセット」機能。その中でも特に強力な「FIXED関数」に焦点を当て、実務での活用方法を解説します。
HubSpotのカスタムレポートを作成する際、このような悩みを持ったことはありませんか?
全体に対する割合が出せない: 「各営業担当者の売上が、全社の総売上に対して何%を占めているか」を一つのグラフで表現したいが、レポートのフィルタをかけると分母(総売上)まで変わってしまう。
計算プロパティが複雑すぎる: 全体比率を算出するために、CRM上に「全社合計」というプロパティを作成して手入力したり、ワークフローを組んだりしているが、管理が追いつかない。
データの二重管理: 複雑な計算が必要なため、一度ExcelやBIツールにデータを書き出してから加工している。
これらは、レポートの「表示単位(行)」と「計算の基準(全体)」が混在するために起こる課題です。
HubSpotの「データセット」機能に含まれるFIXED関数を使用すると、これらの課題はスマートに解決します。
FIXED関数とは、特定の軸(次元)に縛られずに数値を固定して計算する手法です。
例えば、個別の取引が並んでいるリストの中で、「全社の売上合計」という共通の値をすべての行に持たせることができます。
これにより、CRMのオブジェクトやプロパティーを増やすことなく、レポート内で「個人の売上 ÷ 全社の売上」という計算を行えるようになります。
■作成したいレポートイメージ
具体的な設定の流れを、売上貢献度(シェア)を算出する例で説明します。
ここが最大のポイントです。
「Add a formula column」から計算フィールドの作成画面で以下のような数式を作成します。
FIXED(SUM([DEAL.amount]))この数式により、すべてのレコードにおいてこのフィールドだけは「全社の合計値」を保持し続けます。
次に、作成した「全社 売上合計」を使用して、割合を出すための計算式を作成します。
SUM([DEAL.amount]) / [全社 売上合計]作成したデータセットを保存し、レポート作成画面でソースをデータセットにし、作成したデータセットを選びます。
横棒グラフを選択し、X軸に「売上貢献度」、Y軸に「取引担当者」を配置すれば、各メンバーの影響力が一目でわかるレポートが完成します。
FIXED関数を活用することで、単なる数字の羅列だったレポートが、「意思決定を促すダッシュボード」へと進化します。
外部ツールに頼ることなく、HubSpot内で完結して高度な分析ができる環境は、データの鮮度を保ち、チームのPDCAサイクルを加速させます。