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HubSpotデータセット活用ガイド:FIXED関数で「全体比率」を可視化する方法(複製)

作成者: 原田 将寛|Apr 12, 2026 1:24:21 PM

HubSpotでのレポート作成において、一歩進んだ分析を可能にする「データセット」機能。その中でも特に強力な「FIXED関数」に焦点を当て、実務での活用方法を解説します。

レポート作成で直面する「分母」の壁

HubSpotのカスタムレポートを作成する際、このような悩みを持ったことはありませんか?

  • 全体に対する割合が出せない: 「各営業担当者の売上が、全社の総売上に対して何%を占めているか」を一つのグラフで表現したいが、レポートのフィルタをかけると分母(総売上)まで変わってしまう。

  • 計算プロパティが複雑すぎる: 全体比率を算出するために、CRM上に「全社合計」というプロパティを作成して手入力したり、ワークフローを組んだりしているが、管理が追いつかない。

  • データの二重管理: 複雑な計算が必要なため、一度ExcelやBIツールにデータを書き出してから加工している。

これらは、レポートの「表示単位(行)」と「計算の基準(全体)」が混在するために起こる課題です。

データセットとFIXED関数がもたらす解決策

HubSpotの「データセット」機能に含まれるFIXED関数を使用すると、これらの課題はスマートに解決します。

FIXED関数とは、特定の軸(次元)に縛られずに数値を固定して計算する手法です。
例えば、個別の取引が並んでいるリストの中で、「全社の売上合計」という共通の値をすべての行に持たせることができます。

これにより、CRMのオブジェクトやプロパティーを増やすことなく、レポート内で「個人の売上 ÷ 全社の売上」という計算を行えるようになります。

■作成したいレポートイメージ

FIXED関数を用いた設定手順

具体的な設定の流れを、売上貢献度(シェア)を算出する例で説明します。

ステップ1:データセットの作成とフィールド選択

  1. [データ管理] > [データスタジオ] > [データセット] から新規作成します。


  2. 「ソース」から「取引」や「会社」など、分析に必要なオブジェクトを選択します。


  3. 「取引金額」や「取引の担当者」など、計算に必要なプロパティをフィールドに追加します。

    ・Add colums from a source:ソースから列追加
    ・Add smart column powered by Data Agent:データセット内で利用できるスマートプロパティー(AIによる情報入力)
    ・Add a formula column:計算式を用いた列追加(FIXED関数など)

ステップ2:FIXED関数で「全体値」を定義

ここが最大のポイントです。
「Add a formula column」から計算フィールドの作成画面で以下のような数式を作成します。

  • 列名: 全社 売上合計
  • 数式: FIXED(SUM([DEAL.amount]))

この数式により、すべてのレコードにおいてこのフィールドだけは「全社の合計値」を保持し続けます。

ステップ3:貢献度の算出

次に、作成した「全社 売上合計」を使用して、割合を出すための計算式を作成します。

  • フィールド名: 売上貢献度
  • 数式: SUM([DEAL.amount]) / [全社 売上合計]

ステップ4:レポートでの可視化

作成したデータセットを保存し、レポート作成画面でソースをデータセットにし、作成したデータセットを選びます。

横棒グラフを選択し、X軸に「売上貢献度」、Y軸に「取引担当者」を配置すれば、各メンバーの影響力が一目でわかるレポートが完成します。

現場での活用イメージ

FIXED関数を活用することで、単なる数字の羅列だったレポートが、「意思決定を促すダッシュボード」へと進化します。

  • マーケティング: 全リード数に対する、特定チャネルの獲得比率を算出。
  • カスタマーサクセス: 全契約社数に対する、特定の製品プランを利用している顧客の割合を算出。

外部ツールに頼ることなく、HubSpot内で完結して高度な分析ができる環境は、データの鮮度を保ち、チームのPDCAサイクルを加速させます。