多くの企業が、問い合わせ対応の効率化に向けてAIチャットボットの導入を検討、あるいは既に運用を始めています。しかし、現場では次のような課題に直面していないでしょうか。
ボットを導入したものの、期待通りの効果が出ず、結局は人間の担当者がすべてのチャットにはりついて対応しているケースは少なくありません。
HubSpotの「顧客対応エージェント」を活用することで、これらの課題をスムーズに解決できます。この機能は、あらかじめ決められた固定のシナリオをなぞるだけの従来のボットとは異なります。Webサイト上の情報やヘルプページを自ら読み込み、顧客の質問に対して適切な回答を自動で導き出します。
導入後は、以下のような変化を期待できます。
顧客対応エージェントを有効に活用するための具体的な仕組みと、運用上の注意点を解説します。
顧客対応エージェントは、HubSpotの「チャットフロー(Webサイト上に表示するチャット窓口の設定)」と連携して動作します。
設定を有効にすると、エージェントは事前に登録された「質問と回答」のデータや、指定したWebページを参照して自動で顧客に応答を始めます。
このエージェントは、送信された言語に合わせて返答を変える能力を持っています。
例えば、最初に顧客が日本語で質問を入力し、対話の途中でドイツ語に切り替えた場合でも、エージェントは即座にそれを察知してドイツ語で回答を継続します。個別に言語ごとの翻訳シナリオを作成する必要はありません。
1つの顧客対応エージェントに、複数のブランド(異なる製品ラインや企業ブランド)を割り当てて運用することが可能です。ただし、複数のブランドを管理・設定するためには、HubSpotの「ブランド追加オプション」の契約が別途必要になります。
トーンや応答スタイルを細かく指定することが可能です。
HubSpotの顧客対応エージェントは、AIがどれだけ顧客の課題を解決したかによって費用が変動する「成果型」の課金体系を採用しています。コストを適切に管理するためには、どのような状態が「解決」と判定されるのかを正しく理解しておく必要があります。
ステータスは主に「解決済み」「解決済みとしてはカウントされない」「未確定」の3つのパターンに分かれます。
以下の2つの条件を同時に満たした場合に、AIが問題を解決したと判定されます。
具体的な事例:
- 顧客から「返品方法を知りたい」と質問され、エージェントが返品ポリシーの記事を案内。その後、顧客からの追加の連絡がなく、人間の担当者に引き継がれないまま終了した。
- 顧客の要望に応じてパスワードリセットの手続きを実行し、その後人間の担当者への引き継ぎが発生しなかった。
- リード(見込み顧客)の情報が、システム上で「見込みあり」「部分的に見込みあり」「見込みなし」のいずれかにマークされて会話が終了した。
顧客の課題が解決しなかった、あるいは人間のサポートが必要になった場合は、解決済みとしてはカウントされません。
具体的な事例:
- エージェントが回答を提示したが、72時間以内に人間の担当者へ対応が引き継がれた。
- エージェントでは答えられない内容だったため、人間の担当者にエスカレーション(対応の引き継ぎ)された。
- チャット自体は終了したが、上記の解決条件を満たしていない。
※補足として、データ上で「たわみ(人間が関与せずにチャットが終了した割合)」として記録されていても、それが必ずしも解決を意味するわけではありません。エージェントの回答で解決せず、顧客がそのままチャット画面を閉じて離脱してしまったようなケースは、解決済みとはみなされません。
エージェントが最後に返答してから72時間が経過するまでは、その会話が解決か未解決かは確定せず、判定待ちの状態となります。
具体的な事例:
- 今朝エージェントが顧客にヘルプページを案内し、まだ72時間が経過していない状態。
- 適切な記事を案内した後の評価期間中であり、顧客が再度質問してくる可能性がある状態。
エージェントの最後の応答から72時間が経過すると、その会話のステータス(解決済み、またはカウント対象外)が正式に確定します。
一度ステータスが確定した後は、仮に人間の担当者から後日返信を行ったり、転送の要請があったり、顧客から否定的なフィードバックが届いたりした場合でも、過去に遡って解決ステータスが変更されることはありません。
定期的にレポート機能を確認し、どの会話が「解決済み」となっているかを分析することで、AIの回答精度の向上とコストの最適化を両立させることができます。
記事のディスクリプション
HubSpotの新機能「顧客対応エージェント」の基本仕様や多言語対応の仕組みを分かりやすく解説。運用コストに直結する「成果型課金」の仕組みと、AIが「解決済み」と判定する条件(72時間ルール)のロジックまで、導入前に押さえておきたい重要ポイントを網羅しています。