ビジネスの現場では、見積書や注文書、クライアントからの提出資料など、多くの情報が「PDF」という形式でやり取りされています。これらを有益なデータとして活用しようとする際、避けて通れないのが「CRMへの転記」という作業です。
本記事では、HubSpotのAI機能を組み合わせ、PDFをアップロードするだけで必要な情報を各プロパティへ自動転記する方法を解説します。
CRMのデータを最新に保とうとすればするほど、現場では以下のような業務負担が重くのしかかります。
これらの「人間が介在しなくてもよい作業」をAIに任せることで、本来向き合うべき顧客対応や戦略立案に時間を割くことが可能になります。
この仕組みを導入すると、担当者が行う作業は「ファイルプロパティにPDFを保存する」ことだけになります。
HubSpotの「Breeze(AI)」とワークフローを組み合わせることで、以下の手順で実装可能です。
まずは、PDFを格納するための「ファイル」形式のカスタムプロパティ(例:最新見積書)を作成します。ここにファイルが追加されることが、すべての自動化の起点になります。
HubSpotのAI機能(スマートプロパティ)を設定し、格納されたPDFの内容を抽出するように定義します。
「ステップ2で用意したテキストプロパティが更新されたとき」をトリガーに、ワークフローを起動させます。
ワークフロー内のアクションで「データエージェント」を呼び出します。ここでカスタムプロンプトを使用し、AIに以下のように指示を出します。
プロンプト例:「入力されたテキスト情報から、〇〇を抽出してください。」
このとき、画像のように抽出するデータを「アクション出力の入力値」として定義しておく必要があります。
そして、このエージェントの出力結果を、最終的な各プロパティ(
合計金額、発行日など)にコピーする設定を行えば完了です。
PDFの情報を手作業で転記する作業が、自動化によってどの程度削減されるかを試算しました。
| 項目 | 仮定する数値 |
| 月間の対象PDF処理数(見積・注文書など) | 100 件 |
| 人間による手動転記・確認時間(1件あたり) | 10 分 |
| AI導入後の作業時間(確認のみ) | 1 分 |
| 担当者の時給換算コスト | 2,500 円 |
月間の削減時間:月間の削減時間:
(10分 - 1分)× 100件 = 900分 → 15時間 / 月
年間のコスト削減額:
15時間 × 2,500 円 × 12ヶ月 = 450,000円 / 年
年間で約45万円分に相当するリソースが解放されます。数十人、数百人で実施していたら恐ろしいですね。
なお、1件のPDF処理に対して20クレジットを消費するので、月間100件処理したら2,000クレジット消費します。
1クレジット1.2円程度なので、2,200円/月のコストが発生します。それでも手作業よりは圧倒的にコスト削減になります。
これは単なるコスト削減だけでなく、繁忙期における業務の停滞を防ぐ大きな要因となりますので、本記事をお役立ていただければ幸いです。